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【申込受付中】(オンライン開催)「サイレント・パンデミック」への備え ~AMR対策先進国が実施している、国民を守る施策(2022年4月28日)

AMRアライアンス・ジャパン(事務局:日本医療政策機構)は、G7等での議論を踏まえ、薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)に関する事例や教訓を共有するための国際的な協力関係の推進に鑑み、日本をはじめとするAMR対策をリードする各国の専門家を集めたシンポジウムを開催します。日本、ドイツ、英国、米国からの参加者が、それぞれの国のAMR対策と、この分野での将来的な協力の可能性について議論します。

次なる感染症の危機はすでに到来しています。感染症の原因となる微生物が治療薬に対して抵抗力や免疫力を持つようになるプロセスである薬剤耐性は、20世紀の医学の発展を根底から覆す恐れがあります。すでに、全世界で年間120万人がAMRによって死亡していると推定されており、これはHIV/AIDSやマラリアによる全世界の年間死亡者数を上回っています。我が国でも、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA: Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus)とフルオロキノン耐性大腸菌(FQREC: fluoroquinolone resistant E coli)の2種類の耐性菌だけで、年間8,000人以上の死亡者が出ていると推定されており、これは交通事故による年間死亡者数の約2倍に相当します。つまりAMRは深刻な公衆衛生上の危機であるといえるのです。

そして、AMRは単なる感染症の問題にはとどまりません。効果的な抗菌薬がないということは、感染症による死亡者の増加を意味するだけでなく、同時に、医療システム全体の弱体化も意味します。感染症は免疫力の低下している人々における死因の第2位であり、抗菌薬は世界で毎年1,000万人近くが受けるがん治療における免疫抑制の際にも欠かせないものとなっています。また、手術後の合併症などを防ぎ、患者の免疫システムを強化するために、抗菌薬が外科的手術の際に投与されることも頻繁に生じます。この手術の中には、世界で毎年、帝王切開で出産している女性の20%が含まれており、日本では20世紀には10万人あたり年間400人であった妊産婦死亡率が2016年にはわずか3.4人にまで激減した背景には抗菌薬の開発による医療の進歩が大きく影響しています。同様に、治療の副作用で免疫力が低下し、日和見感染症の予防を必要とする慢性疾患患者にとっても、抗菌薬は非常に重要です。このように、現代の医療システムは、効果的な抗菌薬の存在によって支えられているといえます。

近年、国際社会ではこの差し迫った危機に対処するための活動が活発化しています。現在、G7などのイニシアティブを通じて、AMRに関する集中的な議論が行われており、ドイツが議長国を務める今年のG7会合でも、継続的な活動が期待されています。世界は今、国際的に協調した対応を必要とする多くの課題に直面しています。これには、サーベイランスシステムの強化、国際的な抗菌薬適正使用の強化、AMR対策のための資金調達の増強、既存の治療薬が効かなかった際の新たな防衛策として機能する新規抗菌薬の開発に向けた取り組みの推進などが含まれています。G7におけるドイツのリーダーシップのもと、これらのテーマについての国際的な対話が継続されることが期待されているのです。

G7等での議論を踏まえ、AMRアライアンスジャパンが目指す、AMRに関する事例や教訓を共有するための国際的な協力関係の推進に鑑み、日本をはじめとするAMR対策をリードする各国の専門家を集めたシンポジウムを開催いたします。日本、ドイツ、英国、米国からの参加者が、それぞれの国のAMR対策と、この分野での将来的な協力の可能性について議論します。このシンポジウムを通じて、AMR対策を強化するための国際的な好事例を共有し、この問題に関する政策議論の動向について理解を深め、この「サイレント・パンデミック」の重要性を訴えていきたいと考えています。

 

 

【開催概要】

■日時: 2022年4月28日(木)18:00-19:30
■会場: Zoomウェビナー
■主催: AMRアライアンス・ジャパン/日本医療政策機構(HGPI)
■言語: 英語/日本語(同時通訳あり)
■参加費:無料

 

プログラム】(敬称略・順不同)

18:00-18:05  趣旨説明
Matt McEnany(日本医療政策機構/AMRアライアンス・ジャパン シニアマネージャー)

18:05-18:10  開会の辞
塩崎 恭久(元衆議院議員/WHO AMRグローバル・リーダーズ・グループメンバー)

18:10-18:20 英国のG7議長国を振り返って ‐AMRの今後の計画‐
Sally Davies(英国政府AMR特命大使/WHO AMRグローバル・リーダーズ・グループメンバー)

18:20-18:30 ドイツのG7議長国におけるAMR ‐目標と優先事項
Dagmar Reitenbach(ドイツ連邦保健省(BMG) グローバルへルス部門責任者)

18:30-18:40 米国および欧州全域におけるAMR政策の優先事項
Kevin Outterson(CARB-X エグゼクティブ・ディレクター)

18:40-18:50  日本におけるAMR対策~現状と今後の課題
大曲 貴夫(国立国際医療研究センター 国際感染症センター センター長/国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター センター長)

18:50-19:30 パネルディスカッション・Q&Aセッション

パネリスト

Sally Davies(英国政府AMR特命大使/WHO AMRグローバル・リーダーズ・グループメンバー)
Dagmar Reitenbach(ドイツ連邦保健省(BMG) グローバルへルス部門責任者)
Kevin Outterson(CARB-X エグゼクティブ・ディレクター)
大曲 貴夫(国立国際医療研究センター 国際感染症センター センター長/国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター センター長)
日下 英司(厚生労働省 大臣官房 国際保健福祉交渉官)

モデレーター

Matt McEnany(日本医療政策機構/AMRアライアンス・ジャパン シニアマネージャー)

 

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